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アフガニスタンで殺害された中村哲医師が無言の帰宅
昨日12月10日、アフガニスタン東部で銃撃されて殺害された中村哲医師のご遺体が、ドバイ、成田を経由して、ご自宅のある福岡へ無言の帰宅をされました。




使用機材が「不謹慎」? Twitterでプチ炎上🔥
ところで、成田から福岡までご遺体を運ぶのに使用された飛行機の機材が、アイドルグループ「嵐」のラッピングが施された、
“嵐JET”
…だったということで、Twitter上で少々騒ぎになっています。

(TBS NEWSより)

「正直言うと中村さんをこんなふざけた飛行機で運んで欲しくなかった…」
(tmk@46_tmk 17:39 · 2019年12月9日)
嵐ファンの私から見ても、中村哲さんの遺体搬送に嵐JET使うのはなんだかなぁって感じだよ…
(ミヤ@ars5_23 23:23 2019年12月9日)
中村哲さんの御遺体輸送のニュースみたんだけどさぁ。A350は嵐Jet一機だけじゃないんだからさぁ・・・もうちょっと調整なんとかならんかったの日航って思った。流石に申し訳ないと思わんのかな。
(スケマル@低浮上@hysk_ss1000 18:48 2019年12月9日)
アフガンで亡くなった中村哲さんの遺体を嵐JETで運ぶJALの空気読めなさスゲー。
(機材繰り社長@enemy_konishi 10:14 2019年12月9日)
………と、こんな調子で、(自称)航空業界に精通している方や、単に違和感を覚えた人、一部の嵐ファンの間から、ざっくり言うと
「不謹慎だ!」「宣伝目的と思われても仕方がない」
…などといった旨のTweetが相次ぎました。
航空機材の運用は、電車やバスのそれより遥かに複雑
そういったプチ炎上🔥状態の中、タイムラインを見る限り、かなりのマニアか、実際に航空業界におられた(あるいは現職?)方なのでは???…と想像してしまう程詳しい方が、なぜこの機材が使われたのかについてマジレスされました。
クズに教えてあげるよ。ご遺体輸送にはドライアイス搭載が必須で各機体にはドライアイス搭載規定量が定めがありA359でドライアイス搭載規定を満たしているのはJA04XJだけしか無い為に亡くなられた中村医師のご遺体輸送がJA04XJ使用されたんだよ💢
(✈︎✈︎✈︎✈︎✈︎✈︎✈︎ @spflct 23:07 – 2019年12月9日)
(該当ツイートは削除されました)
“嵐JET”という通称ではなく、具体的な機体記号(航空機1機1機につけられる個別の記号で、国籍記号と登録記号で構成される、車のナンバープレートのようなものです)で説明されているので、かなり詳しい方からのTweetだと思います。
つまり、JAL所有の機材で、成田から福岡までご遺体を保冷するために使用するドライアイス搭載規定を満たせるのは、嵐のラッピングが施されているこの機材しかなかった、やむを得ない機材繰りであったということが真相のようです。
中村医師が成田到着時は通関上…パレット(貨物用鉄板)で降ろされていましたが…福岡到着時は亡くなられた中村医師のご遺体を貨物室内から職員の「手」で取り降ろされたのも敬意を表しています。
( ✈︎✈︎✈︎✈︎✈︎✈︎✈︎ (@spflct) 2019年12月9日)
(こちらのツイートも削除されました)
✈︎✈︎✈︎✈︎✈︎✈︎✈︎@spflctさんの一連のTweetを拝読すると、今回の“嵐JET騒ぎ”には、何のよこしまな動機もなかったことがよくわかります(残念ながらアカウントは削除されてしまいました)。
ご遺族にしてみても、ご遺体を一刻も早く自宅に帰したい気持ちが一番で、機材のラッピングなどは二の次だったことでしょう。
航空機材の運用は、法律で厳しく規定が定められています。大型の旅客機では、ひとたび事故となれば、被害・犠牲者の規模・数はすさまじいものになりますから当然です。
最近はバスや電車などの公共交通機関で、広告のためにラッピングを施した車両がよく見られますが、同じ“乗り物”でも、飛行機の場合、厳格な決まりを満たせる機材の数が限られているのなら、「この機材が空いてるからこれで……」…というように、単純な選択をするわけにはいかないのは、素人でもわかることです。
中村さんのご遺体は、福岡県警による司法解剖を経て、大牟田市の自宅に運ばれ、葬儀は11日に執り行われる予定だそうです。
改めて、ご冥福をお祈り申し上げます。
